第8回 熊本大学 eラーニング連続セミナー(2006年5月29日)

eラーニングシステムによる「効果的な学習の補助」

日時:

2006年5月29日(月)17:00~19:00

会場:

総合情報基盤センター 3階 実習室 I (地図No.3)

講師:

Kwangsu Cho 氏

ミズーリ大学 情報科学・教育工学部 助教授
ピッツバーグ大学 教育研究・開発センター 研究員

SWoRD (剣) はペンより強し:作文を補助するeラーニングシステム
(A SWoRD is Mightier Than a Pen:An e-Learning System to Support Writing)

年齢や専門分野を問わず、文章による表現力を高めることは、成功を収める秘訣の一つである。それにも関わらず、その訓練が十分になされているとは言い難 い。Cho氏は、効果的な文章表現を習得する為の訓練方法として、学生同士による相互査読(peer reviewing of writing) に注目している。相互査読では、学生たちは、相互に査読をし合う。すなわち、個々の学生は、複数の学友の作文を評価すると同時に、複数の学友から自己の作 文に対する評価を得ることができる。学生の書いた文章を教師が評価する場合と比較すると、複雑な評価の相互作用がそこには存在する。この手法に基づいて開 発したのが、SWoRDと読ばれるWebベース文書作成支援システムである。本講演では、学生同士の相互査読を実施するにあたり生じる様々な疑問や関心 事、SWoRDの開発と改善の経緯、SWoRDを用いることにより、作文の学習にどのような改善がもたらされるかについて述べる。

松田 昇 氏

カーネギーメロン大学 コンピュータサイエンス学部 研究員

教示によるプログラミングを利用したCognitive Tutors (認知的学習支援システム) の構築
(Building Cognitive Tutors with Programming by Demonstration)

Cognitive Tutor は、最も学習効果の高いコンピュータを用いた学習支援システムの一つである。松田氏は、Cognitive Tutorの構築を支援する知的オーサリングツール(CTAT: CognitiveTutor Authoring Tools) を開発している。本ツールは、Cognitive Tutorを構築する上で最も本質的かつ困難な作業である認知モデルの構築を支援する。特に、認知科学および人工知能プログラミングになじみのないユー ザーを主な対象として開発したものであり、認知モデルを自動的に構築する。ユーザは、認知的課題分析やプログラミングを行う代わりに、対象となっている課 題、例えば、代数方程式の解法を計算機に例示する。例示に基づくプログラミング(programming by demonstration)の手法により実装された模擬学生がそれを観察し、例示された解法を再現するプロダクション・ルールを自動的に合成する。合成 されたプロダクション・ルールは、Cognitive Tutorに組み入れることで、学習者モデルとして機能する。

講演動画:

講演(学内専用)

 

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Last modified: Thursday, 29 February 2024, 2:53 PM